Googleは10月8日、企業向けイベント「Gemini at Work 2026」で新しいAIエージェント「Gemini agent」を発表しました。パソコンを閉じてもクラウド上で作業を続け、最長7日間にわたって複数の作業を並行してこなせる設計です。さらに、タスクの内容に応じてGoogle自身のGeminiと、競合であるAnthropicのClaudeを自動的に使い分ける仕組みも採用されており、話題になっています。
「同僚」として、専用のメール・予定表を持つ
今回のGemini agentの目玉は、人間の同僚のように振る舞う「coworker agent」という考え方です。各エージェントには@agents.会社ドメイン形式の専用メールアドレスが割り当てられ、個別のカレンダーやドライブ(保存領域)も持ちます。チームメンバーが人間の同僚にメールやカレンダー招待を送るのと同じ感覚で、エージェントに仕事を依頼できる設計です。
作業は数日〜最長7日間にわたり継続でき、複数の作業を並行して進めたり、決まったスケジュールやイベントをきっかけに動いたりします。さらに、必要に応じて複数の専門エージェントを一時的にチームとして編成し、役割分担しながら複雑な作業を進める機能も備えています。
出典: https://venturebeat.com/orchestration/google-cloud-unveils-persistent-gemini-agents-for-long-running-tasks-and-they-get-their-own-gmail-calendar-and-drive-storage https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/welcome-to-gemini-at-work-2026
タスクごとにGeminiとClaudeを自動使い分け
もう一つの注目点は、Gemini agentが自社のGeminiモデルだけでなく、競合Anthropicの「Claude」モデルも選択肢として使える点です。それぞれの作業内容に応じて最適なモデルを自動選択し(ユーザーが手動で指定することも可能)、難しい作業は精度を優先し、簡単な作業はコストを優先するといった使い分けを行う仕組みです。自社製品に他社のAIモデルを組み込むのは珍しい判断で、「使う側にとって一番良い結果を出すことを優先した」という姿勢の表れと受け止められています。
出典: https://pasqualepillitteri.it/en/news/21745/google-launches-gemini-agent-claude-models https://yellow.com/news/gemini-agent-runs-claude-google-80
経営者にとっての意味
Gemini agentはGoogle Cloudの企業向け製品で、個人がすぐ無料で試せるものではなく、Google WorkspaceやGoogle Cloudを契約している企業が主な対象です。それでも押さえておきたいのは、「AIに専用のメールアドレスや予定表を持たせ、人間の同僚のように仕事を任せる」という発想そのものです。定型的な事務作業や、数日がかりで進む調査・資料作成のような業務から、こうした「AI同僚」に任せる部分を切り出せないか考えるきっかけになります。また、GoogleがAI選びにおいて自社モデルにこだわらなかった点も、ツール選定の際に「ブランドより成果」で選ぶ姿勢の参考になります。
まとめ
一言で言うと、「AIが人間の同僚のように、専用の連絡先を持って数日がかりの仕事を任せられる存在になりつつある」ということです。すぐ自社で導入する話でなくても、業務の切り出し方や社内のAI活用方針を考えるうえで、知っておいて損のない動きです。
